薬液を扱う「薬液槽」を PLC で扱う時の「薬液槽 Programing」としては
 液槽には主に次のプロセスが必要となります。
 ①「給液」・・・定量槽からの薬液の定量注入
 ②「給水」・・・純水の投入
 「循環」・・・フィルタリング
(不純物の除去)を行う
 
「廃液」・・・使用限度を超えた槽内薬液の排出

其の他の付属するプロセス
 「槽洗浄」・・・純水による槽内の洗浄
 「フィルター交換」・・・(手動操作によって行う)
 「ヒーター加熱」・・・槽内薬液の温度管理

異常処理
 「液濃度検出」・・・ Alarm 処理
 純水の抵抗値計測」・・・Alarm 処理
 ⑩「液温異常」・・・ Alarm 処理
 ・・・などなど、System の仕様による付帯する Programig は必須

■尚、必要な箇所に「流量監視」の為の「流量計」などが配置されれば
 その管理も Programing する必要が生じます。

 薬液槽の例 定量槽と処理槽の概要図
■概ね図の様な構造になっています。

 Program の分類
 
Program は大きく分けて次の 2 つに分類します。
「定量槽 Program」 (処理槽に薬液を垂下する為に常に一定量を保つ槽)
②「処理槽 Program
 「廃液」・・・使用後の薬液を廃液し、処理槽を空にします。
 「洗浄」・・・純水を使い処理槽内を洗浄します。
 「注液」・・・薬液と純水の混合。薬液を定量槽から規定量を投下し純水と混合します。
 「薬液循環」・・・混合された薬液をフィルターを通して循環させます。


■これも必要?
処理槽 温度測定 Data の保存/表示
処理槽 比抵抗値測定 Data の保存/表示


 定量槽に必要な Program と異常警報(Alarm)



給液ポンプの稼働中は液面が波打つので
 対策として各センサには
 ON_Delay_Timer として 5 Sec 以上は
 必要です。

センサ異常の検出
 ①上限 ON
  定量 OFF, 下限 OFF
  定量 ON, 下限 OFF
  定量 OFF, 下限 ON
 ②定量 ON
  下限 OFF
 ➂定量 OFF
  上限 ON
 ④下限 OFF
  定量 ON
  上限 ON
 上限センサの不具合は
  B 接点を使用した場合は
  配線異常の判断が出来ますが
  それ以外は液面での異常検知は出来ません。

■定量までの給液
 ①給液バルブ V2 → 閉
 ②給液ポンプ P1 駆動
 ➂定量位置で給液ポンプ P1 停止

■処理槽に給液
 ①給液ポンプ P1 停止
 ②定量位置センサ確認
 ➂給液バルブ V2 → 開
 ④下限センサ ON
 ⑤タイマ ON
 ➅タイムアップ
 ⑦給液バルブ V2 → 閉

タイマの役割
 ①薬液が下限位置から配管内の
  薬液が全て抜け落ちるまでの時間を設定
 ②給液ポンプ<P1>を回したが
  一定時間が経過しても定量センサが ON しない
  ポンプの不具合
   配管内のつまりなどの異常
  配線の接触不良
 ➂給液バルブ<V2>を開いたが
  一定時間が経過しても下限センサが ON
しない
  バルブの不具合
  配管のつまりなどの異常
  配線の接触不良

手動 Mode 時の Program
 給液ポンプ P1、給液バルブ V2 の手動操作

 1槽定量槽の Device 割付と Error Code 割付
 たった五つの入出力機材しか無い定量槽でも
 産業機器として製品を出荷するには、これだけの Program となりますす。
■各処理槽には定量槽も付属するので、デバイスの割付は「解り易く」することが大事です。
 しかし、こんな簡単な「定量槽」でも
Alarm 処理や手動操作を含めると
 そうは簡単に Program が完成する訳では無いのですね。

1槽定量槽
Device No. Name Command Motion Timer
 D600  1槽 定量槽 動作Mode 0  停止
1  手動運転 
2  自動運転
9  自動動作終了
 D610  給液ポンプ P1 0  停止
1  運転
 D620  注液バルブ V2 0  閉
1  開
 Xn  上限センサ 入力 1/0
T60
 Xn+1  定量センサ 入力 1/0
T61
 Xn+2  下限センサ 入力 1/0
T62
 Xn+3  手動操作入力 給液ポンプ P1 1  運転 T63
 手動操作入力 給液ポンプ P1 0  停止
 Xn+4  手動操作入力 注液バルブ V2 1  開 T64
 手動操作入力 注液バルブ V2 0  開
 Yn  給液ポンプ 出力 1/0

 Yn+1  注液バルブ 出力 1/0

 Yn+15  動作終了 Flag 出力 1/0  自動動作終了
 D99  Error Code #0601  センサ異常
#0602  給液 Over Time T65
#0603  注液 Over Time T66

Error の記録は「Error_Code」+「発生日時」を File に保存するか、空き DM を使って記録します。
 また、警報 Buzzer 音は「Buzzer 解除 Switch」で消音が可能ですが
 発生した Error は、異常が解除されるまで消去出来ません。


 定量槽 PLC 接続図

定量槽 薬液供給 Program
■自動運転 Program からの定量槽の制御は、
 <薬液供給>の指令(command)は<D610>に
 <薬液注入>の指令は<D620>に書き込みます。
 指令の作業が完了すると<D610><D620>は<K0>になります。
■手動操作も上記と同じです。






Power_on <D610>Clear




Sensor_Timer
 上限は早めに検知
 下限は配管も含め薬液全てが排出される
 までの時間を含めて長めに設定。




Pump <P1>への指令は
 自動/手動 ともに<D610>に
 <K0001>を書き込むと定量まで
 薬液を供給。

手動 Mode での給液指令




Pump の駆動は<D610=K0001>
 T65 は定量までの時間監視





■定量位置で Pump 停止


■給液時間の監視
 Time_OverError を出して停止




■必要あれば Lamp 表示も可

定量槽 薬液注入 Program





■Power_on
D620Clear



Valve <V2>
への指令は
 自動/手動 ともに<D610>に
 <K0001>を書き込むと定量まで
 薬液を供給。



手動 Mode での注液指令





Valve の駆動は<D620=K1>
 T66 は定量排出までの時間監視





■下限を検知して注液終了。


Over_TimeError 発生
 注液は停止。





■必要あれば Lamp 点灯

 センサ異常




センサ異常は Error_Code K0601
 上限センサは<B接>以外での検出は
 出荷前の検査は可能ですが
 User に納めた後では点検は不可能ですから
 必要有れば<B接>とし、
 Power_on 時に不具合を検知するしか
 手は無いです。


 Main_Program (Auto Mode) からの 1槽 定量槽の制御例






Step#19 終了




Step#20
 定量槽が動作停止ならば<注液開始>
 注液完了の確認後 Next_Step




Step#21
 定量槽が動作停止ならば<給液開始>
 給液完了の確認後 Next_Step



Note
Senser4 個にポンプとバルブが有るだけの「薬液定量槽」では有りますが、
 部品の故障や配線の不具合まで考慮すると、かなり面倒な Program になるのは仕方ないですね。

 まだ日本国内であれば緊急時には技術者が直ぐに対応出来ますが、
 海外輸出となると現場に出かけるだけでも大変ですし不具合は何処なのか?
 が解らずには交換部品も準備出来ません。

 よって「不具合箇所の特定」が必須なのと、緊急対応として「不具合を Soft で対処する場合も有ります。」

■例えば「定量 Senser」が故障した場合は「定量位置まで給液する時間」を常に Soft で計測しておけば
 「定量 Sensor の代わりに Timerで代用」出来る場合も有ります。





 








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